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「ヴェトモン」のデムナ・ヴァザリアがバレンシアガに仕掛ける

2017年11月21日 更新

BALENCIAGA
新生バレンシアガが大きな反響を呼んでいる。 仕掛け人は、いまファッションフリークの間で最大級の賛辞を贈られているブランド「Vetements/ヴェトモン」の中心人物、デムナ・ヴァザリア。 破竹の勢いに乗るヴェトモンが、クリストバルが確立させたバレンシアガにどう溶け合うのか。 デムナ指揮による新生バレンシアガのデビュー戦としてもはや歴史的な記憶といえる2016年秋冬コレクションは、 その発表前から大なり小なりウワサがウワサを呼び、業界内だけでなくファンの間でも期待と不安が交錯していた。

デムナはバレンシアガに取り組むにあたり、まず膨大なアーカイブをひも解いていったという。 新生バレンシアガのアイコンピースとなっているオーバーサイズのジャケットやコートは、 まさにクリストバルのバスク・コート(裾広がりのシルエット)の影響から。 クリストバルが生み出したスタイルをデムナ風にデフォルメすることで、 過去と未来の癒合を鮮やかに表現してみせた。 それに、そもそもデムナはシルエットに飽くなき探求心を持っていることでも知られているし、 クリストバルのバレンシアガに共通点を見出すのは、もしかするとそんなに難しいことではなかったのかもしれない。 そんなことを思わせるくらい、相性バッチリなのだ。

3シーズン目となる17年秋冬に発表された「ALL OVER」シリーズは、「隅から隅まで」とネーミングされる通り、 バレンシアガのロゴが全身にプリントされたパターンデザイン。 柔らかく鞣されたカーフレザーにメタリックなカラーリングが施され、クラシックとフューチャーリスティックなイメージがデフォルメされている。

小物を中心に展開されているこのシリーズ。 新生バレンシアガに疑念を抱く人には、見慣れたロゴながらあっと興味を抱かせる愛らしさがあり、やっぱりどこか気取った姿がたまらないはずだ。 そしてまだバレンシアガに触れたことのない人には、敷居の高さを感じさせない気軽さが新鮮に映るのではないだろうか。